目次
はじめに
FX取引において、国内業者で取引する場合、追証リスクは重要な要素です。特に、週明けの市場開始時に発生する「窓」は、追証の可能性を高める最も大きな要因となり得ます。本記事では、証拠金維持率と週明けの窓開けのデータをもとに、追証リスクを分析します。
国内業者の証拠金維持率
国内のFX業者では、証拠金維持率の基準が異なる場合があります。一般的には、証拠金維持率が100%を下回るとロスカットが発生することが多いですが、一部の業者によってはこの基準が異なるため(FXTFは一部時間以外は50%)、事前に確認することが重要です。
証拠金維持率が指定の割合を下回ると自動でポジションの決済が行われるため、この証拠金維持率分の窓が発生しない限りは追証は発生しないという事です。
では、この証拠金維持率分の窓が何pipsなのかという話ですが、計算は以下です。
証拠金維持率 = 有効証拠金 / 必要証拠金
有効証拠金 = 口座残高 ± ポジションの評価損益 ± スワップ - 手数料
必要証拠金 = レート * 数量 / 25
必要証拠金を現在のドル円レート(レバレッジ最大25倍)で計算すると
150円 * 1,000通貨 / 25 = 6,000円
つまり最低6,000円の資金でドル円を1,000通貨買えるという事です。
ですが6,000円の有効証拠金で1,000通貨を取引した場合、証拠金維持率は6,000円/6,000円で100%となり直ぐに強制ロスカットが発生します。
つまり、現在のドル円レートの場合、1,000通貨あたり6,000円以上の逆行が窓で発生すると追証になるということです。
1,000通貨あたり6,000円以上の逆行とは6円ですね。(証拠金維持率50%なら3円)
※pipsで言うと600pips or 300pips
この事を念頭に置いて今までの窓を見ていきましょう。
週明けの窓とは
週明けの窓とは、金曜日の市場終了時の価格と、月曜日の市場開始時の価格との間に生じる価格差のことを指します。
【ドル円:USD/JPY】歴代週明けの窓
以下はドル円ペアで観測された、月曜日に1円以上の窓が開いた回数のデータです。
※スプレッドも計算にいれるため、金曜日の終値(Ask)と月曜日の始値(Bid)又は金曜日の終値(Bid)と月曜日の始値(Ask)を比べて集計しています。
- 2008年:5回(内リーマンショック時2.135円)
- 2013年:2回
- 2015年:2回
- 2016年:1回
- 2017年:1回(仏大統領選挙時1.523円)
- 2019年:1回(月曜ではなく1月3日)
- 2020年:1回
- 2023年:1回(日銀総裁の後任報道)
このデータから分かることは、特定の年や重要な経済イベントの際に週明けの窓が大きく開く傾向があることです。そして最も注目すべき点は2008年。2003年から観測した最も大きな窓はリーマンショック時の窓2.135円です。
勿論、未来の保証など、どこにもないですが、現在の規制で追証が発生する確率はかなり低いと判断していいと思います。少なくとも週跨ぎをしないトレードをしていれば、追証が発生する可能性は限りなく低いと私は判断しています。(ドル円の話)
これを見ると、証拠金維持率、レバレッジの規制はうまい事調整してあるんだなぁ~と感心する限りです。
【ユーロドル:EUR/USD】歴代週明けの窓
以下はユーロドルで観測された、月曜日に0.01ドル以上の窓が開いた回数のデータです。
※スプレッドも計算にいれるため、金曜日の終値(Ask)と月曜日の始値(Bid)又は金曜日の終値(Bid)と月曜日の始値(Ask)を比べて集計しています。
- 2008年:3回
- 2011年:2回
- 2012年:1回
- 2013年:1回
- 2015年:2回
- 2016年:1回
- 2017年:1回(仏大統領選挙時0.01993ドル)
- 2022年:1回
ユーロドルで近年で最大の窓開けは、仏大統領選挙時の0.01993ドルでした。
※当時の円換算で約2.19円
【ユーロ円:EUR/JPY】歴代週明けの窓
以下はユーロ円で観測された、月曜日に0.01ドル以上の窓が開いた回数のデータです。
※スプレッドも計算にいれるため、金曜日の終値(Ask)と月曜日の始値(Bid)又は金曜日の終値(Bid)と月曜日の始値(Ask)を比べて集計しています。
- 2008年:7回
- 2009年:2回
- 2010年:2回
- 2012年:2回
- 2013年:3回
- 2015年:3回(ギリシャがユーロ圏から離脱する可能性が高まった時3.313円)
- 2016年:2回
- 2017年:1回(仏大統領選挙時3.740円)
- 2018年:1回
- 2019年:1回
- 2022年:1回
- 2023年:1回
ユーロ円で近年で最大の窓開けは、仏大統領選挙時の3.740円でした。
(これでも証拠金維持率100%の業者なら追証は発生しません。(50%なら可能性あり))
さらにユーロ円では、2円以上の窓開けが9回登場しています。
ドル円、ユーロドルと比べユーロ円のリスクは少し高いと判断できます。
追証リスクの管理
追証リスクを管理するためには、証拠金維持率を常に監視し、余裕を持った資金管理が必要です。また、週末にかけては特に市場の動きに注意し、ポジションのサイズを調整することも一つの方法です。
まとめ
FX取引において、追証リスクは避けられない要素です。特に国内業者を利用する場合、証拠金維持率の管理と週明けの窓に注意することが重要です。データに基づいたリスク管理を行うことで、FX取引の成功の可能性を高めることができます。


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